設置場所:横浜市鶴見区鶴見2-1-1 総持寺向唐門前
原型作者:喜多俊勝
鋳造:黒谷美術株式会社
設置時期:2019年10月
画像提供:林久治⇒銅像探索記/f


「相承 大いなる足音が聞こえますか」は御両尊大遠忌報恩法会(奉修期間 平成二十六年より令和六年)の掲げる基本理念であります。それは法の相続すなわち師匠から弟子へ正しい仏の教えを伝え、途絶えることなく次の弟子達へ伝えてゆくことです。釈尊から摩訶迦葉尊者に伝わった一滴の水とも称すべき正伝の仏法は、インド、中国と嫡々相承して大本山永平寺開祖道元禅師に到り、當本山開祖瑩山禅師から全国へ脈々と流れ出でて多くの寺院が建立され、今日の蕩々たる大河となりました。まさに相承は先人の偉業と申せましょうし、今を生きる私たちの責務であります。
瑩山禅師(中央)には「四門人六兄弟」と称される弟子たちがおりましたが中でも、本山二祖 峨山禅師(右)及び明峰禅師(左)の両禅師は瑩山禅師門下の二大神足でありました。瑩山禅師のもとで、峨山禅師は「両箇の月」で心地を開明され、明峰禅師は「皮膚脱落の話」で本分に安住されました。また瑩山禅師は両者を「峨山は麒麟の雲に点ずるに似たり、明峰は老馬の路を行くが如く」と賞しました。これは、傑出した禅機を振るう峨山禅師と、修行歴が長く熟練した明峰禅師を見事にとらえたお言葉です。
私たちは瑩山禅師のみ教えをいただいて精進を重ね、確実に次の世代へ響かせていきたいものです。また一人でも多くの人が瑩山禅師のみ教えに接して日々の生活に生かし、こころ豊かな社会を築く原動力となることを願って止みません。令和六年(2024)に本山開祖瑩山禅師七百回大遠忌に当たり、謹んで瑩山紹瑾禅師とその法を相承されてこられた祖師方の像を建立する次第です。
令和元年(2019)十月吉辰 大本山総持寺 独住第二十五世 江川辰三 識
願主 曹洞宗大本山総持寺 大本山総持寺顧問会 大本山総持寺全国嶽山会 御両尊報恩法会大遠忌局




相承像の設置場所:横浜市鶴見区鶴見2-1-1 総持寺向唐門前