山本音吉(知多郡 美浜町)

場所:知多郡 美浜町 小野浦福島 聖書和訳頌徳記念碑
画像提供:城月さん

現存する最古の日本語訳聖書の翻訳に尽力した人物。

音吉は、江戸時代末期の1832(天保3)年、他の船乗りと共に鳥羽(三重県)を出航し、江戸に向かった。しかし途中、遠州灘で遭難し、太平洋を1年2カ月もの間漂流する。北米西岸のフリッター岬に漂着したときには、音吉を含む3人だけしか生き残っていなかった。

3人は先住民や英国人に助けられ、日本に戻るため、ロンドン、南アフリカの喜望峰を経て、35年に中国・マカオに到着する。そこでドイツ人宣教師のカール・ギュツラフと出会い、現存する最古の日本語訳聖書である「約翰福音之傳」(ヨハネ伝)と「約翰上中下書」(ヨハネ書簡)(共に37年出版)の翻訳を助けた。

日本への帰国を切望していた3人だが、幕府の厳しい鎖国政策のために、結局帰国はかなわなかった。ギュツラフ自身も訪日できず、この聖書は開国後の59年、米長老派の宣教師ジェームス・カーティス・ヘボンの手で初めて日本に持ち込まれた。
音吉の生誕200年などを記念して製作された。

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